アルバイト始めました
(自閉スペクトラム症の子どもが上着につけていたバッチ。この背景にはどうしてもマスク着けられない子ども、またその親への誹謗中傷があるようです。)
メリークリスマス!事務局内海(けんじ)です。
先日お話できなかった「休業中どうしてるの?」の巻。
三鷹市にある放課後等デイサービスでアルバイトを始めました。
主に障がい児を対象として、身体、知的に障がいのある子どもの支援をしています。
“支援をしている”というより、わたしが子どもたちにケアされてるかも?と実感する日々です。
〜〜ある日のエピソード。その1。〜〜
全盲の男の子、9歳。
レゴブロックも、プラレールも、あたかも見えているように器用に作り上げます。
内心(すごい、、)と感心しているうちに、
「しゅくだい」と言って取り出したのは真っ白の本。
あれ、何も書かれていない?と、よーくみたら凹凸がありました。
その子は両手の指先でさささーっとなぞり、音読が始まります。
凹凸が音になってわたしに届き、その真っ白の本は国語の教科書だと気がつきました。
宿題のあと、
「もうすぐおやつだね。」と言ったら
「ほんと?」と言いながら
その子は左腕につけた腕時計をごそごそ。
(はて、どうやって時間がわかるのだろう?)
その瞬間、文字盤のガラスがパカッと開き、慣れたふうに時計の針を触ります。
「もう3時半か〜。」
(障がいって、いったい誰の何だろう?そんなことを思わされます。)
〜〜ある日のエピソード。その2。〜〜
自閉スペクトラム症。8歳の男の子。
こちらの話していることはわかるようですが、その子からの発語はありません。
何かのスイッチでパニックになり
奇声をあげて身体をバタバタ。
(何か訴えてるけど、なんだかわからない。)
音や光、人に触れることに敏感だったり、集団行動が苦手らしい。
カラフルのビーズをぶちまけたと思ったら、黄色だけをひとつひとつ拾っていく。
黄色が終わったら次のむらさき。次はみずいろ。
ぜんぶ拾い終えたらまた最初から。しかも同じ順番で色を拾います。
こだわりが強いというのも自閉スペクトラムの特性だそうです。
(見ている世界はどんなだろう?拾っているときはさっきのパニックが嘘のよう。)
いっしょに公園に行くと、すべり台を永遠にやってます。
きゃっきゃと笑い、あら、こんなに笑うんだとまた驚きと、新しい一面が知れてなんとなくうれしい。
たくさん遊んだ帰り道、その子が手を繋いできました。
もちろん言葉はありません。ただ、なんだか楽しそう。
「すべり台、たのしかったひとー?」と聞いたら勢いよく右手があがりました。
(言葉はないけど、その子から何かをもらった瞬間でした。)
———
2016年の相模原市障がい者施設殺傷事件、みなさんも記憶に新しいかと思います。
19人が死亡、26人が重軽傷。
犯人の動機は「障害者は不幸しかつくることができない。生きる意味のない命」としています。
生産性があるかどうかで命をはかる。
これは1人の異常な青年による犯行だったのでしょうか?
犯人からの問いかけにわたしたち社会が最終的に出した答えは死刑判決。
「こんな命生かしておく必要はない。だから死刑にする。」
これって犯人が言った言葉そのもの(生きる意味のない命)で、
わたしたち社会が最後にぶつけたのは犯人と同じ言葉だったかもしれません。
裁判は終わったけど、問題の本質は終わっていない気がします。
命の意味を問われたら、
みなさんならどう答えるでしょうか?
その犯人に、(生きる意味のない命)という問いに、どんな言葉をかけますか?
続く。
CFF事務局 内海研治