CFFジャパン事務局スタッフのブログ

NPO法人CFFジャパン事務局スタッフのブログです。仕事のことに限らず色んなことを書いていく予定です。

ミャンマーで今、起きていることを忘れないでほしい

お久しぶりです。事務局の田代です。

今、ミャンマーで起きた国軍によるクーデター、大規模なデモ、そして軍による市民の弾圧。連日メディアでもニュースになっており、CFFに関わるみなさま、特にミャンマー渡航した経験があるみんなは、とても不安な気持ちでいるかと思います。

通信が制限されている中なかなか情報を得ることも難しいのですが、今日はこの一ヶ月の中で聞いた話、得た情報など現地の人たちの声を中心にみなさまに共有したいと思います。


===3月5日===

CFFミャンマー事務所スタッフのをはじめ、現地在住日本人の方、ミャンマーにルーツをもつ在日の方にオンラインでミャンマーの今について話を聞かせていただきました。

<3/5時点>
デモ隊と軍の抗争としては、デモ隊が集まる→催涙弾を投げる→ちりじりに逃げる→逃げた人を捕まえる、といったことが繰り返されている。デモに参加していなくても近くにいた場合拘束される危険性は大いにある。


(現在はデモへの参加有無関係なく、人々が暴行を加えられるケースが多発している)
 
銀行が停止している状況は今も続いている。デモ参加者たちもかなりギリギリの状況で行なっている。軍との我慢比べ状態。あと1ヶ月ほどで限界を迎えることが予想される。

●お金もない、仕事もない状況の中、生活困窮者がますます困窮する事態になっている。デモに参加すると食事を提供してもらえるため、食べるためにデモに参加する人も出てきている

●インセイン(CFFのツアーで訪問するスラムがある地域)の子どもたちは、基本的に家の中にいて外に出ないようにしているため今は安全が確保されている。

 
またCFFミャンマーのスタッフが、どのような思いでデモに参加している心境を話してくれました。


デモになぜ参加するのかは、今やらなくてはいけないことだから。

何もせずに生き抜けたとしても、それは死んでいることと同じ。

命をかけて、今を変えるためにデモに参加している。

 

連日デモにも参加しているようで、命を顧みない覚悟や決意のようなものが見えるからこそ、彼自身の身が本当に心配になりました。

参加者からも、どうか命は大切にしてほしいとのコメントが寄せられました。

オンラインイベントの約2週間後に、またスタッフとはコンタクトを取ることができましたが、以前より疲れが顔に浮かんでいたように感じました。


===3月12日===

CFFのキャンプでは日本人参加者と同年代のミャンマー人青年も参加してくれます。当時一緒にキャンプを過ごした青年たちも皆、デモに参加している様子をFacebookなどにあげていました。

そのような中、一人のメンバーが軍に拘束されたとの連絡がありました。

軍に拘束されるとなると、鞭打ちといったひどい拷問を受けることも少なくありません。そのような中、ほんの数日、軽傷で釈放され、本当に安堵しました。

CFFの活動地であるインセイン地域でのデモや軍との抗争も、日々激化しているとの連絡が入っています。


===3月30日===

つい先日、ミャンマーのプログラムにも参加してくれた現地人キャンパーから個人的に連絡がありました。

クーデター開始直後に連絡を取ってから、1ヶ月近くやり取りはしていませんでした。
Facebookメッセンジャーといったツールは監視されている可能性が多いため、軍に対する批判的なコメントは彼らを危険に追いやる可能性があるからです。

「連絡をとって大丈夫?」

と聞いたところ、


「あとでメッセージは消させてもらう。けど、通信が遮断されるのも時間の問題で、いつ連絡が取れなくなるか分からないから伝えておきたい」

といって、色々と現状を話してくれました。


多くの人がヤンゴンから逃げ出している。
けれどもわたしはヤンゴン生まれヤンゴン育ち、
親戚がいないからヤンゴンを離れることもできない。

この前家の近くで抗争があり、
いろんな人がわたしの家にも逃げ込んできた。
そうしたら催涙弾が家の中に打ち込まれた。
幸いそれ以上のことは何もなかったけど、ドアが壊されちゃった。

最近は護身のためにハサミやナイフを枕元に置いて寝ている。
軍は銃を持っているから、意味がないと分かってはいるけど…

怖くて、心安らかにゆっくり眠れる日がない。
私も信じられないけど、これが今のミャンマーの現実。

どうかミャンマーのこと忘れないでほしい。



ミャンマーのことを祈ってほしい。



わたしは何をどうコメントしていいのか、言葉に詰まりました。ただただ、恐怖の中にある気持ちを受け止めること、そして

「もし通信が遮断されて、連絡が取れなくなったとしても、忘れない。いつでもミャンマーのことを思い、祈っているよ。どうか無事でいて」
こういった言葉をかけることが精一杯でした。

 

全く罪もなく、なんの非もないミャンマーの人々。普通の日常を過ごしていた毎日が、護身用のナイフを携えて眠る日々に変わる。



みなさんは想像できるでしょうか。



今、状況は良くなるどころか悪化の一途をたどっています。

 

日本にいる私たちに何ができるのか。現状、できることはほとんどないと本当に悔しさでいっぱいです。
日々の生活の中、意識していないとミャンマーのニュースを耳にする機会も減ってくるかもしれません。けれど、情報が入ってこなかったとしてもいまは状況が改善しているわけれではありません。

 

どうか、ミャンマーで今、起きていることを忘れないでほしい。

CFFジャパンとしても、ミャンマーのためにできることがないのか、考えています。今は何もできない状況であっても、いつか支援が必要なタイミングがやってくる。その時に向けて何かできることはないのか、検討しているところです。


またみなさまにも共有できる情報が出てきたら、お知らせさせてもらえたらと思います。