CFFジャパン事務局スタッフのブログ

NPO法人CFFジャパン事務局スタッフのブログです。仕事のことに限らず色んなことを書いていく予定です。

Sharing Love One Day Trip♪

ミンガラーバー!
ミャンマーより事務局の田代です。
明日から始まる第4回ミャンマースタディキャンプに向けてヤンゴンに滞在しています。

1年に一回の訪問だと、町の雰囲気の微妙な変化も感じられ、
少しずつではありますが前進しているのを感じます。
その中で子どもたちが生活する環境など変わらない現実もあり…
CFFがこれからもミャンマーで活動していく意義を考えさせられる毎日です。

そんな中!
CFFのミャンマープログラムを協同で行っているSharing Loveの活動にも参加してきました。
今日はミャンマーの子どもたちの様子をみなさんにお伝えしたいと思います^^

※Sharing Loveって?初めて聞いた!という方…詳しい説明は最下部にどうぞ!


★Sharing Love初の試み!One Day Trip♪

One Day Tripとは?いわゆる遠足のこと。
2015年より開講したSharing Love schoolの子どもたち。
それまでは学校へ行ったことがない子どもたちがほとんどで、
もちろん遠足に行ったこともありません。
ヤンゴン市内をみんなで散策することはありましたが…今回はなんと!
・バスを貸し切り!
ヤンゴンを飛び出して!
みんなで遠足に出かけました♪

集合は朝6:30に教会…早い…けど子どもたちはみんな元気!
おそろいのTシャツ、帽子で準備もおっけー☆

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エアコン付きのバスに乗るのも初めて♪ 大興奮の子どもたち!

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さぁ元気よく出発!!と思いきや…
車酔いで大惨事;;;

先生方も予想の上で、バスに乗る前に貼る酔い止めを子どもたちに貼ったり
薬を飲ませたり、全員にビニール袋を渡したり…
けれど初めての長距離バス。
1/3の子どもたちは到着する前にぐったり;;;
先生たちも文字通りバスの中をいったり来たり大変そうでした;;;
 

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(shearing loveの先生たちと。車内が忙しくなる前の一枚)

目的地へ到着すると…先ほどまでぐったりしていたのが嘘のよう、
みんな元気に裸足でパゴダへ向かいます。

そう、今回は「バゴー地域でのパゴダ巡り♪」の遠足です
※パゴダとは!…上座部仏教のいわゆる「お寺」です。
日本と違ってキラキラ宝石もたくさん使っててとても豪華!
マナーとして、必ず素足で入らなくてはいけません。
 
1つめ:チャイプーンパゴダ

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4つの側面で全部顔が違う。ガイドブックにも載っている有名なところです。
下から見上げると…

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なかなかの迫力です。笑
 
2つめ:シュエモードパゴダ
こちらもとても有名。ミャンマーで一番高いパゴダ!

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ヤンゴン市内ではシュエダゴンが有名ですが、高さでいったらこちらが上です。
2年前に来た事がありましたが、そのときは入場料がかかるので外で見ただけ(笑
今回はちゃんと中に入りました!
 
その後も2〜3こくらいのパゴダへ行き…
お昼ご飯♪

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レストランでみんなでご飯を食べるのも初体験!
カレー屋さんでしたが、好きなカレーを自分で選んで各テーブルに分かれて食べました。


ご飯を食べたあとも
パゴダ、パゴダ、パゴダ!行き過ぎて途中から数えるのを止めましたが…
おそらく10カ所近くは行きました。

 

どのパゴダに行っても子どもたちは自分たちで、
まずはしっかりとお祈りをし、お参りもしていました。
また寄付を集める箱がありますが、そこにも自分たちのお小遣いを入れている子どもたちがいました。

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Sharing Loveの活動母体は教会ですが、ミャンマーは8割が仏教徒の国です。
子どもたちも必然的に、ほとんどの子が仏教徒になります。
そんな子どもたちの大切にしているものをリスペクトし、パゴダ巡りの遠足であったこと、
子どもたちも小さいながらに、パゴダでのマナーをわきまえていることに
驚きつつもとても感動しました。

帰りのバスは、疲れてみんなで爆睡…!

ヤンゴン市内の子どもたちの居住近くまで送って、今日の遠足は終了♪
みんな元気に、笑顔で帰宅しました。

 

最後に…遠足での集合写真。後ろの大仏が切れてる笑

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※Sharing Loveって?

CFFが現在ミャンマーで活動するにあたり欠かせないカウンターパートである
ユアマ教会(通称YBC)の社会活動の一つ。
YBCと同じ地域にあるスラムに生活する子どもたちへ、識字教育を行う学校を開いたり週に一回食事を提供したりしている。

▼Sharing Love School
→2015年10月より開講。現在月〜金(9:00〜11:00、13:00〜16:00のクラス)の週5日、
午前午後と分かれて幼稚園・小学校を開く。生徒数40名程度。
子どもたちの中には、平日はsharing love schoolへ通い、土日は働いている子どもも
今回の遠足はこの40名の子どもたちを対象に行う。
今後、学校には来れていない子どもたちへも、規模を拡大させたいとのこと。

▼毎週土曜日のSharing Loveの活動
→上記の学校にも通うことができない(仕事をしている等の理由から)
子どもたちも含め週に一回子どもらしい時間と食事を提供することを目的に行われている。
9時〜11時まで教会で歌や踊り、イベントなどを行い、
食事を提供して子どもたちは帰宅。
多い時には100名程度の子どもたちが集合する。

▼その他…子どもたちだけでなく、子どもたちの親への支援も
→「親が教育の大切さを理解していない人も多い」。
スラムに生活する人々にとって子どもたちは大切な家庭の働き手。
子どもが学校へ行くとなると、収入が減るという理由もあり
学校へ通わせることができない親もたくさんいます。
そんなスラムに生活する親たちに対しても、月に一回教育の大切さを伝える
時間を作っています。(参加してくれた人には、食事やお土産を用意)

Sharing Loveは様々な活動を展開していますが、決して財政状況が豊かなわけではありませんが。
そんな中理解を示してくれた国内外の団体からの支援を受け活動が成り立ち、
また先生方も自分たちの時間を惜しみなく子どもたちのために使っています。

これだけのすばらしい活動にCFFが関わらせてもらえることに感謝しています。

「こどものため」とは?

こんにちは!このブログ初登場になりますあっきーです!現在インターンとしてCFFフィリピンに滞在しています。フィリピンに来てから早いものでもう1ヶ月が経ちました。(3月はじめに作成してらもった記事です。)

すでに17春シーズンも2プログラム終了し、アシスタントとしてもたくさん関わらせていただきました。そんな楽しい毎日の中で感じたちょっとしたモヤモヤについて書かせていただきます。

CFFフィリピンにいて一番考えること、それはやはり「こども」についてです。

フィリピンに来るのは初めてでしたが子どもの家に着いた初日、こどもたちは緊張していた私よりずっとフレンドリーに接し、私を受け入れてくれました。

その日から私を見かける度に「クヤー!(お兄ちゃん)」と笑顔で話しかけてくれます。

スタッフをはじめとするCFFをサポートしてくれている人たち、日本人キャンパー、ビジターの人たちなどたくさんの人がこどもたちに愛を注いでくれます。

こどもたちが成長していく中で、こどもの家での生活はとても大切な時間となります。

いつも元気なこどもたちはほぼ毎日誰かしら、スタッフに叱られてます(大体は些細なことですが...)。

しかし、私にとってはこの「叱る」ということがとても難しいです...。

例えば時間になっても遊びをやめられなかったり、ご飯を食べきっていないのにおしゃべりしていたり、人のことを叩いたり、マナーやルールを守らなかったり。

かわいさがゆえに「まぁいっか」と許してしまったり、注意はするが笑顔だったり、なかなか心を鬼にできません。

その行動は本当にこどもたちを想っての行動ではなかったなといつも後悔してしまいます。私にはこどもや教育、福祉の知識もなければ、タガログ語も大してできません。

叱る時だけでなく、こどもが怒ったり、悲しんでいてもこどもの心情を理解しきれないし、かけてあげられる言葉も出てきません。

こどもは一度許されると甘えがでてしまいます。この人なら大丈夫と行動を人で判断するようになってしまいます。

こどもたちの将来を本当に考えたとき、退所してからのことを考えたときの自分のふるまいこそが本当の意味での「こどものため」なんだなと私は思います。

優しさだけでは愛にはならない。そんなことを痛感させられました。

明日こそは!と思っても結局できない私ですが、残り1ヶ月トライし続けたいと思います! 長い文ですがここまで読んでいただきありがとうございました!

山奥の村Baito

事務局スタッフの石井です。

久しぶりにフィリピン・スアルの山奥にあるBaito村へ行って来ました。この村は2009年〜11年にかけて第60,66,72回フィリピンワークキャンプを実施した場所。

山道を歩いて40分。

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当時は電気もなく、水道もない。いま思い返しても本当に良くここでキャンプやったなって思います。

水道は第60回ワークキャンプで作ったタンクがいまも機能してるものの、この時期(乾期)はすっかり枯れてしまいちょろちょろとしか水は出ません。川やわき水からの水汲みは変わらず子ども達の仕事。

いまは電気も通ったのですが、いまも変わらず現金収入が十分にあるわけではないので、家の中の電気は控えめで以前のように子ども達は夜になると携帯の明かりで勉強をしてました。

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小学校は3年生までだったのが、6年生まで村で勉強できるようになりました。けれど、小学校を出て高校に行くとやはり毎日山道を学校まで往復しなければいけないのも変わっていません。

それでも変わらずに山に生きる。Baitoの人たち。

「なんでこんな不便なところで生活してるか不思議に思うでしょ?でも、これが私たちの生活で、ここが好きなの。町に行くのに毎日何キロも往復してね笑」

なんも小難しいことはなく、ここに山に生きる理由はそれだけ。そうやって笑いながら話してくれる。

変わらないなって思います。

僕ら日本人が失ってしまった大切なものがここにあるって思うし、ここにくるとそれを実感できる。けれどそれを取り戻すことはとても難しく、「ここの暮らしが良いな」って思ってもやっぱり僕らは便利な日本の暮らしを快適に感じてしまう。

今回はスタツアでホームステイさせてもらったんだけど、すごく温かく受け入れてくれて…あのときキャンプを通して築いたものがいまもここに、この人たちのなかに活きてるんだなって実感しました。

気づけばここに泊まるのは5年ぶり。あのときチビだった子たちがすっかり大きくなりました!

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あの日に思った”いつか”という日

こんにちは!フィリピンより石井です!
4月がこっちは真夏なのですが、まさに真夏に向けて暑い日々が続いています。

さて、フィリピンスタディツアーが終わって最初の日曜日。3月5日のこと。

今回は去年からスタッフになったひろしががんばってワークキャンプを引っ張ってくれているのと、プログラムの間の期間がいつもより少し長いこともあって休みの日にだいぶ余裕ができました。

そこで「子どもの家」を退所してもうすっかり大人になった”子どもたち”と再会してきました。

お持ち帰りでお昼を買って、みんなでビーチへ!

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「子どもの家」を退所してから10年以上立っている子もいて、それから顔を合せることはあってもなかなかこうやってゆっくり過す時間はなくて、みんなでご飯を食べながら色々話しているととても懐かしい気持ちになりました。


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それぞれの近況を話したり、将来のことを話したり、思い出話をしたり…。

みんなの共通の思い出といえばやっぱり「子どもの家」で過した時間で、キャンプで日本人と過した時間が特に記憶にあるようで

ウェルカムパーティでのダンスで何が得意だったとか

日本人から教えてもらったソーランソーランとか

浴衣を着て習字をしたこととか

米を蒸してみんなで叩いてお菓子を作ったとか(餅つき)

竹を切って上から水を流すのと一緒に麺を流して食べたとか(流しそうめん

みんなの中にCFFでの時間がいまも残ってるししっかり生きてるんだなって実感しました。

 

それからその場所がちょっとしたビーチリゾートっていうこともあり、子どもが来て物乞いをしてきたんですけど、すぐに色々話して仲良くなって僕らが買って来たお昼を一緒に食べたりして…以前は同じような状況に彼らがいたことを思うとなんとなくひとり感慨深くなったりしていました。

僕がフィリピン「子どもの家」を初めて訪れたのは12年前。

そのとき「いつかこの子たちも大きくなって大学に通って、仕事をして、家庭を持ったりするんだろうな…どんな大人になるんだろう?」

なんて思っていたその”いつか”がいまちゃんとここにあって、そして自分がそこに一緒にいることがとても幸せな時間でした。

まだ学校に通っていたり、仕事を一生懸命がんばっていたり、家庭をもっていたり…いま住む場所も進んでいく道もそれぞれ違うけれど、過去があり、今があり、そして未来がある。

いずれにしても僕らはみんな同じ時間を共有して生きている。

12年間もう毎年フィリピンを訪れていて、毎年顔を合せて日々を一緒に過す子たちもいて。僕にとってはそれだけ長い時間を過すのは家族以外にはほとんどいなくて、もうここを離れられないくらい長く居過ぎてしまったなぁと思うし、そう思える場所があることは幸せなことなんだなと思っています。

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村との協働で見えたこと

こんにちは。日本に一時帰国中の事務局員ひろしです。

先週の2月17日に104回フィリピンワークキャンプを無事に終え、

そこで私が感じたことを少し書きたいと思います。

 

104回ではカマグシンガラン村というCFFフィリピン「子どもの家」から

車で30分の場所でキャンプを行いました。

村の人たちは、キャンプが始まる前から、

日本人が来ることをとても楽しみにしており、

キャンプの準備から共に進めていきました。

 

宿泊場所、食事、遠足、ワーク、キャンプファイヤー

3回行うパーティーも、村の人達と相談して実施しました。

私たちCFFがやりたいことをやるのではなく、

村の人達と協働してプログラムを作ることに

私はとても大きい意味を感じました。

 

それは、71年前。第二次世界大戦でできた大きな溝があった中、

村の人達に日本人が受け入れられ共に村の未来のために、

ワークをしている姿を見ることができたからです。

CFFがプログラムで必ず行うピースセミナーの中でも、

「これからを担う若い世代が素晴らしい関係を築くことで、

未来がより豊かになっていく。」と以前話してくれました。

 

多くの悲しみ、苦しみを乗り越えて、

今CFFがフィリピンで活動をしていることに感謝の気持ちが

湧いてきました。これからもこの素晴らしい関係を築いていけるよう、

自分が出来ることを精一杯やっていこう、この積み上げてきたのもを

新しく出会う人達に伝えていこうと思いました。

 

これから始まるプログラム、そして今行われている

44回マレーシアワークキャンプが現地の人たちと参加者みんなが、

未来への希望を抱けるよう、取り組んでいきます。

 

長くなりましたが、今日はここまで。

ありがとうございましたー^^

2017年春、CFF海外プログラムインターン「いってきます!」

16夏フィリピンスタディツアー32回リーダーを務めました、司です。
 
今回17春のマレーシアで現地インターンをすることになりました
いく様(16夏マレーシアインターン生)の後釜となれたことを光栄に思っています。
 
とりあえず青少年の課題、現地の課題、自分の課題と向き合い、考え続けます。人、というより、人生って(なんかいきなり語り出した)考え方と行動が全てだと言っても過言ではないと思ってます。その考えを胸に、一人一人が最高のキャンプを行えるよう全力でサポートします!まとめると、しっかり考えて、行動して、肌黒でかっこよくなって帰って来ます。
詳しくは出国前でも帰国後でもインターン報告会でも、いつでも直接話します。
 
とりあえず2月から行って来ます。
ようはその報告です!
具体的に何を得て帰ってくるかまだわかりませんが、報告会は期待してください。
こちらからは以上です。はーい。

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はじめましての方もそうでない方もこんにちは!
M37、MYSC3、M42Lのあっきーです! ご存じの方もいると思いますがこの度2017春シーズンのCFFフィリピンのインターンさせていただくことになりました!
 
今回初のフィリピンのプログラムに関わらせていただくので、緊張というよりどんな感じなんだろう?という感情の方が大きいです笑
 
初めてCFFのプログラムに参加してから1年半近くが経ち、参加者としてリーダーとして今までたくさんの経験や学び、成長がありました。それをインターンとしてCFFに関わる人々に恩返しできたらと思います!どんな時も諦めないことをモットーに、より豊かな未来のために精一杯やらせていただきます!
 
春に一回り成長したあっきーをお見せできるようにがんばってきます!

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CFFジャパン青年育ち合いビジョン(仮称)策定プロジェクト

こんばんは。CFF事務局スタッフひろしです。

1月20日お送りしたCFF会報誌※「らぶれたー」の記事にありました、「CFFジャパン青年育ち合いビジョン(仮称)策定プロジェクト 」の全文を掲載します。

 

※らぶれたーとは?

CFFが年に1度発行している会報誌です。最近キャンプに参加された方や、CFFサポーターの方、CFF事業に寄付してくださった方にお送りしています。

 「らぶれたー」はCFFの”今”を伝える内容です!新規でCFFサポーターになってくださった方には、お送りしますので、ぜひCFFサポーターになってCFFの”今“を知っていただければと思います^^

CFFサポーターに申込む!

 

では!CFFが目指す青年育成についてぜひ!読んでみてください!

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CFFジャパン青年育ち合いビジョン(仮称)策定プロジェクト 

〜CFFはどのような青年を育てたいのか、そしてどのような役割を担うべきか〜

「自分のあり方・生き方を考え、互いを尊重し、可能性を高め合い、それぞれの目標に向かい自律し、共通の問題の解決のために 協働する青年」これは今から20年前、CFFジャパンの設立趣旨書、冒頭部分に示された「育てたい青年像」です。

その後の20年間、約3,800人ものたくさんの青年がCFFのプログラムや活動に参加し、実践を積み重ねてきました。20年経っても変わらないこと。20年を経て徐々に変わってきたこと。 

今、これまでの実践を振り返り、そしてこれからのビジョンを自分たちの言葉であらためて示すことを目指して、CFFジャパンでは2015年からプロジェクトを開始しました。今回はその概要をお伝えしたいと思います。

 

 (1) なぜこのプロジェクトを始めたのか

1、青年たちとCFFの姿の変化(?)

 近年、CFFに参加する青年の様子として、自分自身に課題を抱えている様子が顕著になってきたように感じます。

なんだか生きづらさを抱えていたり、自分を認めることができなかったり、とくに目標がなかったり。

CFFのスタッフもよりそういった面に着目するようになりました。

以前と比べて国内活動があまり活性化しなかったり、また学生時代にCFFで活動した青年が就職後、なかなか社会で力を発揮できない、といった問題も見受けられました。 

CFFが日本で取り組んでいるのは、「子どもの貧困」といった見えやすい問題ではありません。

既存の文脈では語れなくても、しかしそこには社会構造に影響する大事な問題がある。この問題を明らかにしたいと思いました。

  

2、教育機関に向けてCFFの人材育成の意義を伝えたい

 2014年ごろより、提携している旅行会社のつながりもあり、大学や高校との協働事業が始まりました。

今後も増やしていきたいところではありますが、CFFではこれまで学生世代に向けた広報を得意としてきた反面、いざ「大人」の人に向けて自分たちの意義を語ろうとしたところ、言葉がありません。

学校側としては、海外で安全に体験学習ができるフィールドを求めていることが主で、人材育成団体としてのCFFにはそれほど関心がないか、ワークキャンプが「自己満足」のように見なされることもあります。

もちろんCFFとしては単なる活動地の提供ではなく、CFFの人材育成の価値を理解してもらいたいわけです。

昨年末には20周年プロジェクトの手により、「身近な人」にCFFの価値を伝える記念冊子が完成しましたが、このプロジェクトでは教育機関向けにCFFの人材育成の価値が伝わることを目指しています。

 

3、2020年に向けた事業活動のあるべきビジョンの具現化

 CFFジャパンでは、2013年から2014年にかけて団体ミッションを再定義しました。

 「わたしたちは、未来の基盤である子どもと青少年と、共に育ちあいながら、その誰もが未来に希望を持てる社会を築きます。」

 そこで分かったことは、子どもと青年は不可分であるのと同時に、日本で直接向き合っているのは青年であること。

そして、このミッションだけでは抽象的なので、次の段階としてミッションをどう具現化していくかのビジョンが必要であること。

20周年を迎えるにあたって、中長期計画とともに検討していくこととしました。

 

(2)どのようにプロジェクトを進めているのか

 このプロジェクを始めるにあたって大切にすることを5つ挙げました。

  •  新しい取り組みよりも前に、まずは今CFFジャパンが直接向きあっている人やコトを対象にすること
  • 「自分たちはいいことをしている」「こんなことがしたい」ではなく、社会的ニーズの分析に基づいて客観視すること
  • メンバー間で共有するだけでなく、相手に「伝わる」ものであること
  •  外部視点、とくに類似の問題に対して現場で実践している人たちの意見を大切にすること
  • CFFでこれから中心となる担い手(スタッフ)が自分の言葉で語れる力をつけること 

そして、何よりもCFFがやっているのは、青年に対する「支援」ではないという立ち位置を意識し、CFFの当事者(青年)の声も大切にしています。

 以上を踏まえて、以下のメンバーで「青年育成ビジョン検討会」を実施しています。

  •  外部の実践者

(大学ボランティアセンターでの国際協力、ワークキャンプ、野外教育、学生や若手社会人の地域参加、高校でのボランティア教育、社会的弱者への支援)

  • CFFの当事者
  • (元キャンパー、活動メンバー、リーダー・インターン経験者)
  •  CFFのディレクター、理事(理事会でも議論) 

 

(3)見えてきたこと

 まず前提として確認できたのは、CFFは単に青年の日常や人生の悩みを解決したいのではなく、社会の担い手、もっというと社会問題解決の担い手を養成したいということです。

社会問題の解決というと、「社会起業家」を目指してといったことがイメージされますが、必ずしもそれだけではなく、日常の当たり前を大事に身近な人や集団から動いていく、といったことも含まれます。

そういった人材に育つためには、社会で実践していくためのスキルや知識、そして何よりも活動の経験、これらはもちろん大事なことです。

しかしCFFの人材育成の特徴としては、それらよりも前にまずは青年自身の内なる課題に寄り添い、自分や他者を「ケア」できるようになることを重視しています。

そういった力を基盤として初めて、世界や地域での出来事が対岸の火事ではなく、自分自身の痛みのように受け止められるのではないでしょうか。

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実際に、2016年春のCFF海外プログラム参加者に向けたアンケートからは、プログラムへの参加によって参加者自身の自尊感情が顕著に高まっているという結果が出ました。

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CFFプログラムにおいて、このような変化をもたらすメカニズムとしては、「シェア」と「ケア」が重要な要素だと思われます。こういった仕組みについてもまとめをしているところです。

 

(4)これから検討すること

 まず1つ目は、現状のCFFとしては内なる「青年育成」のニーズに対して成果を上げていると思われるものの、今後もそれ自体を目的化していってよいのか、それとも「社会」に対しての直接の働きかけを強めるべきか、という論点です。

社会の担い手養成のためには、CFFの中でも実践力が養成される場(現場の活動)をもっと作るべきなのか、やるとするとどこまでやるべきか、やれるのか。

さまざまな社会問題がある中、そういったことへのきっかけづくりに特化すべきなのか、それとも特定の問題を解決する活動が立ち上がるべきなのか。

この議論は、今後のCFFの事業活動のあるべき姿のデザインにつながります。

2つ目は、このビジョン検討の成果をどのように示していくかです。伝えたい相手としては、外部の教育関係者や若者支援・青年活動関係者、CFFの支援者やCFFメンバーの保護者、そして何よりもCFFの活動メンバーへ。 

CFFのみなさんとはもちろん、同じようなニーズや課題に直面していたり、同じような価値を大切にしている方々とネットワークを拡げ、人材育成の潮流を変化させていきたいと考えています。