こんにちは、事務局高梨です。
今週から9月まで、(ほぼ)毎週で、CFFサポータースタートダッシュキャンペーンの一貫として、職員やサポーターチームメンバーがこのブログを通して思いやサポーター関連の情報をお届けすることになりました*
記念すべき第一弾は、CFFサポーター制度ができるまでの背景と経緯をご紹介。
CFFサポーター制度設立の背景は、CFFジャパン理事会で「現地法人との協働のあり方」を改めて捉え直すと同時に、
CFFジャパンの事業の柱の1つである青年育成事業と、それを遂行するための組織基盤強化に改めて目を向けたところにあります。
今回はその中でも、使途の1つである「現地の子ども支援」と「協働のあり方」を中心に、事務局や理事会で話し合ってきたことをシェアしたいと思います。
・・・かなり長くなりますが、良かったら読んでみてくださいね。
5年ほど前、CFFジャパン代表理事がCFFフィリピン理事より
「子どもたちが、日本人の影響で現地スタッフの言うことを聞かなくなってしまっている」
「いつも支援してくれている日本人にあまり強いことが言えなくなっている」
というコメントを受けました。
このことがきっかけで、私たちは両者のあるべき協働の姿を考えるようになりました。
金銭的支援をすることによって、力関係の構図ができてしまっていはいないか?
支援する側、される側ではなく、対等なパートナーとして協働していくにはどうしたらいいか?
何をもって「対等」と言えるのか?
そういった議論を繰り返す中で、既存のチャイルドケアサポーター制度のあり方も議論の焦点の1つとなっていきました。
2004年から、CFFフィリピンの子どもたちの日常生活の直接支援をするために実施していたチャイルドケアマンスリーサポート制度。
2013年度からは、CFFマレーシアにもその支援の輪を広げて継続してきました。
子どもたちの教材費、生活費、医療費、レジャー費…。
サポーターのみなさんからいただいたご寄付は、こうした子どもたちの日常生活の支援に役立たせていただいてきました。
この制度があったからこそ、今のCFFフィリピン・マレーシアの子どもたちの生活があることは事実です。
でも、、、
独立した組織対組織の「協働」という観点からこの制度を改めて捉えたとき、
一方的に継続する支援では逆に現地の自立や自助努力を損ねる恐れが出てきてしまうのではないか?
寄付を募る主体はあくまでも現地法人であるべきなのではないか?
寄付という一つの支援が、知らずに力関係や依存関係を生んでしまっていることはないか?
こうした疑問も出てきたのです。
この疑問に対して議論を重ねる中で、一時はチャイルドケア寄付の廃止も考えるようになりました。
これについては、CFFジャパン理事会内でも賛否両論。
途上国の上に成り立つ日本に住む私たちの責任として、自分の持っているもの(お金)をシェアするのは当然のことなのでは?
自分が稼いだお金を現地にシェアすることで、「ともに生きる」ことや現地の子どもたちとの繋がりを感じることができるのではないか。
私たちが一方的に自立を考えることこそが既に対等な立場になっていないのではないか。
こうした職員・理事それぞれの疑問に向き合う中で最終的にまとまったのが、
現地法人の主体性を尊重することを前提に、
・子どもたちの養育の質向上につながる新たなプロジェクト立ち上げの取り組み
・より広範囲の地域子ども支援の取り組み
に対して、現地の子どもたちへの寄付制度を継続しようという考えです。
子どもたちが愛情を受けながらケアされて、未来を担う人材になっていくためには、
現地で直接子どもと関わる理事やスタッフたちが、子どもの養育や支援についてビジョンを描き、
それに向けて責任を持って育てていくことが必要だと考えたのです。
なので、ジャパンがサポートするのは恒常的な資金援助ではなく、
あくまでも養育の質の向上のために必要な新たな取り組みやプロジェクトに対して。
現地の子どもたちの生活は現地法人がしっかりと守れるよう、
日常生活に関わる資金調達も現地法人で責任をもって行って欲しいと考えました。
そしてこれはCFFジャパンも同様。
キャンプツアーができなくなるような事態が一時的にでもあった際、どのように活動を守っていくことができるのか。
どのようにCFFの青年育成事業を継続させることができるのか。
私たちCFFジャパンも、組織基盤の強化をしていく必要が大いにあるのです。
同じCFFファミリーではあっても、お互い依存するのではなく、ともに自立したより成熟した組織を目指していかなくてはなりません。
ジャパンが考えたこの方向性や考えをCFFフィリピン理事やスタッフに共有したところ、両者ともに自立に向けた建設的な話し合いを持つことができました。
フィリピン側からも、これまでジャパンが行ってきたことの中で控えて欲しいこと、変えて欲しいことなどの意見も出ました。
「子どもたちを大切にケアして育てる」という同じ目的を持ちながら、異なる立場から両者が誠意を持って意見を出しあい、対等に話せたことは、まさに協働の第一歩だったように思います。
こうして、CFFサポーター制度の中の「子ども支援」と同時に、今後の具体的な「協働」のあり方が決まっていったのです。
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**CFFサポーターとは**
CFFジャパンの青年育成事業や海外の子ども支援を含めた、CFFジャパンの取り組み全般をご支援いただくマンスリーサポート制度です。
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