みなさんこんにちは。事務局の田代です。
事務局職員ブログとってもご無沙汰ですね。
年の瀬も近づき、2017年も終わろうとしていますね。
(ちなみに事務局は今日が仕事納めです!)
CFFで働くようになってから、時が経つのが早すぎてびっくりします(笑
さて、この夏に
ミャンマーへ行ってからずっとシェアしたいなと思
い
ここまで書けなかったことがあるのですが、
これをせずには年は越せない!と思い久々にブログを書いてみました。
かなり長いブログとなってしまったので、
読みたいなと思ってくださった方も覚悟してスクロールしていってください(笑
その数は現時点でおよそ60万人といわれおり
バングラデシュ側に避難した人々も厳しい生活を強いられています
。
多くの緊急支援の
NGOがこの「
ロヒンギャ」難民問題に対して活
動を起こしています。
みなさん、この問題に対してどのような認識をもっていますか?
まとめると…厳しい状況に立たされている人が多くいるにも関わら
ず、
その根源となっているのが
ミャンマー国軍で、
国のトップの
アウンサンスーチー史が何も発言していない
=この問題に対して
ミャンマー政府は逃げている。
かなりざっくりとですが、この問題に対してこんな印象を持っている人が多いのではないかと思います。
そもそもよくわからないという人も多いかと思いますが。
この夏CFFでは、初めて
ミャンマースタディツアーを開催しまし
た。
(訪問先の幼稚園で。初めて出会う外国人に最初はびくびくだった子どもたちとも仲良くなれました♪)
期間がちょうど9月12日〜という
この話題に対してもかなりほっとな時期で
ツアーの訪問先で、「
ロヒンギャ」問題に関しての見解を聞く機会
がありました。
私は専門家ではないので、
この問題に対して個人的な意見を述べることはできないのですが
現地で聞いた話をみなさんにもお伝えしたいと思います。
この問題に対しても色々な見解がありますが
ここからの話も、あくまでも一団体の一部の人々から聞いた話として読んでもらえたらと思います。
・・・・・・・
今回訪問したのはThe 88 Generation Peace & Open Societyという
民主化運動団体です。
(以下88事務所と略します)
団体の代表は
ミャンマー国内でアンサンスーチー氏に次ぐほどの人
気がある
民主化運動家のミンコーナイ氏。
彼自身
学生運動のリーダーだったこともあり当時の軍事政権によっ
て何度も投獄された経験を持ちます。
(中央がミンコーナイさん)
釈放されてからこの団体を立ち上げ、政治家としてではなく運動家として
88事務所のとなりにはデモ運動の記録が残された小さな記念館があり、
デモ当時の写真や映像などを見ることができます。
今回88事務所を訪問したのは、
軍事政権によって統治されていた
ミャンマーの歴史を学ぶため、
また当時のデモの様子を聞くことが目的でした。
しかしながらちょうど「
ロヒンギャ」のことが問題になっており、
デモの話だけでなく「ロヒンギャ」危機に関する話を聞くこともできました。
予期せず記者団に対して現場の様子を記者会見する現場にも遭遇しました。
(記者会見にのぞむ88事務所のスタッフのみなさん)
(一番後ろで見学させていただきました。)
以下の内容は、
・記者会見前にミンコーナイ氏から伺った話
・記者会見の中で話されていたこと
・CFFミャンマー現地人スタッフから聞いたこの問題の見解(一市民の意見)
をまとめたものとなります。
()内に書かれているのは、私からの補足情報です。
=====
(「
ロヒンギャ」という言葉は、1982年に当時の軍事政権によ
って廃止されています。
政策の意図としては移民として入って来た人々に国籍を与えないと
いうことが大きいですしこれはこれで問題ですが、
その影響もあり
ミャンマー国民は「
ロヒンギャ」とは呼びません。
あくまでも
ラカイン州の一部に
バングラデシュ人が住んでいるとい
う意識を持っている。)
→「
ロヒンギャ」の中には、市民権を持っている人もいる。
ミャンマーでの滞在歴が長いため市民権が与えられているケースも
ある。
→そこに移民・難民の問題はある。
けれども世界の人々が思っている宗教間の対立という意識は、
ミャンマー国民にはない。
宗教差別と強調し問題を大きく報道しているのは、大国のメディア
によるプロ
バガンダだ。
(
ミャンマーの人たちは、「宗教を絡めれば世界は注目するし、(
世界が
ミャンマーを)非難しやすい」捉えている。)
地域によって
差別意識を持っている人もいるかもしれないけれど
ミャンマー全体として迫害しているといったような取り上げ方は過
剰。
ミャンマーは135もの民族がいる国であることもあり、
根本的には他民族とも融和性や協調性をを大切にしている。
元をたどれば植民地支配政策と軍事政権による影響も大きい。)
大国にある問題から、世界の注目をそらしたいがために
小国である
ミャンマーの問題が誇張されて報道されている。
→上に記した「
ロヒンギャ」の迫害と関連してくるが、
これらをふまえて、「
ロヒンギャ」全てを迫害しているといったよ
うなことは言えない。
→発言しないということが大きく報道されているが、発言していないわけではない。
「
ロヒンギャ」の問題は、色々な問題が複雑に絡み合っているもの
であり、
アウンサンスーチー氏はもっと大きな視点からこの問題に
対して言及している。
記者たちがほしいような回答をしていないから「発言していない」とみなされているだけだ。
=====
またミンコーナイさんに直接話を伺った際に、
ツアー参加者の1人がこのような質問をしました。
これに対して直接的な意見は述べていませんでしたが、このように回答していました。
A. 「私たちは、
アウンサンスーチー氏が国のためにこれまで多大な自己犠牲を払ってきたことを知っている。」
周りにいた88事務所のスタッフの方達も、この言葉にただただ頷いていました。
世界からどのような非難があったとしても、
・・・・・・・
みなさん、現地の人々の声を聞いてみてどう思いましたか?
断片的な情報だけでは、難しくてむしろよくわからないこともあったかと思います。
私がこの話を聞いた印象として思ったことは
「普段メディアから得ている印象と少なからず違うことがある」
でした。
私は今回の話を聞くまで
・「
ロヒンギャ」の中にも市民権を与えられたケースがあること
・現場で被害を受けている人の中には
少数民族の人もいること
これらのことは恥ずかしながら知りませんでした。
またこの問題に対して、
テロ組織の存在を示唆している
アウンサンスーチー氏の発言もよく
理解できませんでした。
彼女が意図していることもなんとなく理解できるようになるかと思います。
*英語ができる方はぜひ聞いてみて!
2017年9月19日に「
ロヒンギャ」問題についてのアウンサン
スーチー氏の見解です。
2015年の選挙の時も海外メディア含め世界が
ミャンマーに注目
し
新政権が始まってから1年半、
今度は手のひらを返したように
アウンサンスーチー氏を糾弾してい
る(私の個人的な印象かもしれませんが)のは、なんだか不可思議に
も感じます。
2016年に新大統領が就任した時、私は
ミャンマーにいました。
テレビで就任式を見ていた市民のみなさんが
抱き合って喜んでいたのを今でもよく覚えています。
半世紀にわたる軍事政権によって市民の生活に及ぼされた影響は大きく、
そこから脱却し新しい国を作っていくことは、非常に時間のかかることです。
ミャンマーに関しては
憲法の問題もあり、新政権と軍の関係性もま
だまだ難しさが残っています。
(ここら辺は話すとまた長くなるので、気になる方は調べてみてくださいね。)
けれども、国民一人一人が自分たちの国を作ろうという意識と自覚を持って
それぞれの場所で活動している姿には、
いつも心に迫るものを感じます。
今回の訪問での経験を経て、
目についた情報だけでなく、現地の人々の声を聞く重要性を再認識できましたし
メディアから流れる情報を鵜呑みにしない重要性も身にしみて感じました。
最後に…
「
ロヒンギャ」と
ミャンマーの間での対立関係というものは
歴史的に考えても実在しており、現在難民という形で大規模に表面化してしまっています。
ただこの対立構造にには、
日本という国に住んでいる私たちに、直接的に彼らのためにできることはほとんどないかもしれません。
けれども、日本人である私たちに、まったく関係のない問題と片付けてしまってよいのでしょうか?
ここまでおつきあいくださったみなさんにもう一度聞きます。
**この記事のなかであえてカッコつきの「
ロヒンギャ」を使って
いたのは
そこに迫害の意味を込めた『
ロヒンギャ』という言葉を現地では使
っていない
というコメントに起因します。